廃業したくてもできない。妻の一言で決めた撤退【前編】––10年迷い続けた経営者が会社をたたむまで

取引先や従業員への対応

弁護士と相談し、支払い先へ支払停止の通知を入れるXデーを決めました。

ただ、支払いを停止した時点で受注分は納品しました。ですから支払い停止を宣言以降、1ヶ月半程度は会社を稼働していたことになります。得意先によっては、慌てて型を回収に来られたり、廃業の説明を求められることもありました。

心配してくれる会社がほとんどでした。しかし一番親しく、取引量も多かったメインの受注先の対応は大変あっさりしたものでした。

従業員には、支払停止の通知日の3日前ごろに、会社の状況や私の決断したこと、今後の段取りなどについて、社内の談話室で従業員に説明しました。

静かに聞いてくれ、不平不満がなかったことに感謝しています。給与はきっちり支払い、社会保険手続き等の退職手続きも行うことができました。

破産管財人による詳細な調査

自己破産の手続きが始まると、破産管財人からは銀行の預金口座や家計の支出について詳細な説明を求められました。

例えば購入した宝くじについて「なぜ購入したのか。ギャンブル性が認められたら免責が受けられなくなります」などと問われます。たかだか年に1万円程度の運試しに、そこまですることか……と、まさに根掘り葉掘りです。

単純な質問に過ぎません。事業と無関係なことまでしっかり確認されるので、心理的負担の大きな作業でした。

破産管財人とは裁判所から選ばれる弁護士のことで、債務者の財産を中立な立場で調査・回収し、債権者に公平に分配します。
ギャンブルや過度な浪費がないかなど、借金の帳消し「免責」を認めてよいかを判断する厳しい調査も行います。

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この記事を書いた人

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経営の出口戦略を考えるメディアの編集長。会社をたたむ全ての経営者へ届けます。編集ライター歴25年超。美味しいものがあればご機嫌です。

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